身近なお金の誤解を解いていきたい、そんな記事です。
ちょっと長くなりますが、いつか私の妻や子供たちに届いてほしいと思って記事を書きます。
『子どものためにお金を残したい、子どもにはお金のことで不自由な思いをさせたくない。』
多くの親はこのように考えると思います。
しかし、この思いとは裏腹にお金を減らしてしまう方法でお金を守ろうとしています。
とても残念なことです。
これは、金融教育が行き届いていない日本で日常的に起こっている悲劇です。
日本の子を持つ親の多くは、お金の教育を受けてきていません。
義務教育にお金に関する科目がないとか、お金の話を家庭や友人とするのはタブー視されているような日本特有の事情により、大人になっても何となく正しいと思っているけど全く間違った固定概念により気付かず損をしている人が多いのです。
今日は「貯金していると大切なお金が腐っていく」というタイトルでお金に関する、よくある誤解を解いていきましょう。
愛する子供たちとより楽しく過ごす理想の未来のために!
貯金は安心!は大きな誤解
私たちは、親からお金は大切にしなさいと教えられてきました。
これは何も間違っていません。お金は大切です。
しかし、そのお金の守り方が問題です。
「貯金しなさい」と教えられてきていないでしょうか?
そして、今でも自分の大切なお金を「貯金」で守ろうとしていないでしょうか?
実は、これ守っているようで大切なお金を腐らす行為です。
犬が大切な食料を守るために埋めて腐らしてしまうのに似ています。過度に守ろうとした結果、手段を誤って逆の結果を生んでしまうのです。
お金が腐るとは?
お金が腐るとは、価値が下がるということです。
『いやいや、預金は元本保証です。損しません。』
『なんなら、利子がついてわずかながら増えます!』
といった声が聞こえてきそうです。
ここに大きな誤解があるわけです。この誤解を解いていきましょう。
さてここからは、具体的な数字を元に「貯金でお金が腐る」例を見てみましょう。
モデルケース:子供の留学費用を用意してあげたい
子供が将来、留学するかもしれない!その時のために、お金を残してあげたい!!
そう思ったAさんのケースです。
貯金の原資は児童手当。
自動手当を毎回積立て貯金するのでもよいですが、話を簡単にするために児童手当の支給総額約200万円を一括で預金したとしましょう。
その他条件は以下の通り。
条件
金額:200万
期間:15年
金利:0.16% (税金考慮済み)
さて、15年後どのような結果がまっているのでしょうか。
運用結果は、204.9万円です。
『ほら増えているじゃん』
『どこも腐っていないけど』
という声が聞こえてきそうです。
ここが誤解のもとです。
数字上は、204.9万円で4.9万円増えたように見えます。
しかし、実際は「物価の上昇」の影響によりあなたの預金は204.9万円という数字より小さな価値になります。
これがお金が腐るということです。
『物価の上昇でお金が腐る?どういうこと』という声が聞こえてきそうなのでここでも具体的な数字で見ていきましょう。
「物価の上昇でお金が腐る」を考える
物価の上昇とは物の値段が上がることです。
例えば、「エッセルスーパーカップ」のメーカー小売り価格でみてみます。(子供の時はこれがごちそうでした!)
1994年:100円(税別) *参考:Wikipediaより
2020年:140円(税別)*参考:明治株式会社 HPより
16年で1.4倍ですね。
ここで先ほどの預金の話に戻しましょう。
将来、スーパーカップを2個食べれるようにと200円を大切に15年間預金していたとします。
すると200円は、204円になります。
しかし、スーパーカップは1個140円になっているので1.4個しか買えません。
預金を始めた時は2個買えたのに。。。15年大切に200円を大切に守ってきたのに。。。
15年間大切に守ってきた200円は、スーパーカップ2個買える価値がなくなっているのです。
これがお金が腐るということです。
預金は元本保証?いやいや、そのお金腐ってますよ!!
今回、スーパーカップの価格上昇を例に現金の価値が減衰する様を見ていきました。
ゼロ金利政策をとっている現在の日本においては、「預金で子供たちの将来に備える」という行為は愚行です。
大切なお金を腐らせてしまう行為です。
額面上は元本保証の預金も、物価の上昇(インフレ)に負けてお金を腐らせるダメ金融商品なのです。
『日本銀行は、2013年1月に、「物価安定の目標」を消費者物価の前年比上昇率2%と定め、これをできるだけ早期に実現するという約束をしています。』(参考:日本銀行 HP)
この約束が実現するかは別ですが、我々は親として2%以上の利回りでお金を守ってあげる必要があるということですね。
では、どうすればいいのか?
これは次回以降にしましょう。
ここで、一つExcuseをいれておきます。我々の親が「貯金をしなさい」と教えてくれたのは、この手段だけしかしらない情弱だったからではありません。
我々の親世代が我々を育ててくれていた時期や、彼ら自身が子供のときの時代にはそれが正しかったのです。
つまり、昔は正しかった手法を我々にも教えてくれていたのです。金融教育のジレンマともいえるかもしれせん。
決して親たちを恨んではいけません。
未来は変えれますから、我々の世代が今の時代で最も正しそうと考える方法でお金を守ればよいのです。
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