投資を始める時に悩むのは、何に投資するのかということです。基本的には自分の投資ルールを決め、ルールに従って売買していくことが成功の近道です。
ルールのない売買は一貫性がなく、失敗から学び成長していくことを難しくします。一貫性のない取引は問題の分析を困難にし、良い結果が出ても偶然の産物として消費されてしまいます。成功の再現性を高めるためには、ルールが必要です。
では、どのようなルールがサラリーマン投資かに適しているのでしょうか。
時間のないサラリーマン投資家は、自分流の投資スタイルを確立するより、歴史に学んだほうがよいでしょう。まずは過去に実績のある戦略をトレースして、慣れたころに少しずつ自分のルールにアレンジしていくのが良いと私は考えます。
歴史から学ぶ!サラリーマンに最適な戦略
どちらも配当は再投資する前提でご紹介します。
- インデックス投資戦略
- 高配当戦略
①インデックス投資戦略
時間のないサラリーマンにとっては、最も手軽な戦略です。インデックスに連動することを目指したETFか投資信託に投資すればOKです。米国株投資におけるインデックス投資の優位性は「敗者のゲーム」、「ウォール街のランダムウォーカー」で語られています。
詳しくは書籍を読んでいただくとして、インデクス投資信者の主張は次のようなものにまとめられると考えています。
- 個人が市場平均を上回る利益を上げる銘柄を発見し続けることは困難(=インデクスを超え続けられない)
- 市場平均を上回ることを目指すアクティブファンドは、手数料が高いので手数料を差し引いたリターンではインデックスに負けるものが多い
- 市場平均を上回り続けるファンドを見つけることが困難(=今はよくてもこの先もインデクスを超え続けることができるかわからない)
つまり、「無駄な足掻きはしないで大人しくインデクスに投資しておけば間違いない」というのがインデックス投資戦略です。少し消極的な印象を受けますが、米国株投資においては間違った戦略ではないと考えています。
過去の記事でも触れましたが、アメリカはいくつもの危機を乗り越えて史上最高値を更新し続けてきました。
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なぜ米国株なのか?それは信頼できるから!米国株を選択する3つの理由
前回はインフレ調整後のトータルリターンをご紹介し、株式投資の圧倒的な優位性を確認しました。 今回はなぜ日本株ではなく米国株なのか?その理由を整理します。 結論はタイトルにある通り!信頼できるからです。 ...
失われた20年ともいわれ、長期間低迷を続ける日本株とは違うのです。
投資する市場を間違わなければ、インデックス投資をするだけで結果は得られるのです。何も考えずに結果が得られるのですから、時間のないサラリーマンの強い味方です。
インデックに連動する金融商品の多くは、手数料が安く設定されていることも魅力の一つです。米国株の主要なインデックスであるS&P500に連動するETFとしては、VOO、IVVの2つが有名です。
どちらも、現在の経費率は0.04%です。
SBI証券では、VOO、IVVを含む米国のETFをNISA口座で購入すれば買付手数料が0円となります。
サラリーマンにやさしいですね。
②高配当戦略
そのまま、「高配当の銘柄に投資しましょう」という戦略です。
この戦略はシーゲル教授の「投資の未来」でも触れられ、多くの日本人米国投資家に支持されています。
こちらも詳しくは書籍を読んでいただくとして、要旨は次の通りです。
- 常に配当を再投資して持ち株を増やしていく
- 株価が低迷しているときも配当を再投資すれば、よりたくさんの株を購入できる
- 株価が上がるときは、株価が低迷してるときに仕込んだ株が利益をあげる
実は、上記は配当再投資が利益を生む仕組みに過ぎません。高配当戦略とは配当再投資の効率向上策なのです。
つまり、「どうせ配当再投資するなら高配当の銘柄に投資すれば、より高いリターンが狙える」というのが高配当銘柄戦略の考えです。
しかし、注意点があります。
高配当なら何でもよいということはありません。長期投資家の我々は、長期投資に値するいつまでも潰れない会社に投資する必要があります。また、不景気時に配当がなくなってはこの戦略が崩れます。
高配当戦略の投資先は、「長期的な安定経営により配当として株主に利益を還元し続ける企業」に限るのが賢明です。
そこで重宝するのが米国ETFのHDVとVYMです。
このETFは高配当戦略をとる、日本の米国株投資家に人気のETFとなります。
以上、「何に投資すべきか悩んだらVOO,IVV,HDV,VTIに投資しておけばOK」でした。
何に投資するかに集中しすぎずに、戦略に従うことに注力すべきです。戦略なき投資は逆境に晒されたときに、大きく破綻します。戦略がないので市場の動きや、根拠のない情報に激しく反応的になり、右往左往し、そして結果的に大きな損失を生むのです。
そんなダサい投資家にならないように、自分がなぜこの銘柄に投資しているのかを答えられるように、自分の理論を持ちましょう。
どうぞよろしく!!!